『俺を好きなのはお前だけかよ』11話感想 唐菖蒲高校は典型的ラブコメのメタファー

3.5

『俺を好きなのはお前だけかよ(俺好き)』第11話「俺はいらないかもしれない」感想です。

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前回あらすじ

ジョーロの前に例のベンチが再び現れる。たんぽぽがサンちゃんとパンジーをくっ付ける手伝いをして欲しいと頼んできた。色仕掛けに屈したジョーロと、その場にいたあすなろは協力を約束。しかし、たんぽぽの本当の目的は、パンジーに彼氏を作ってあげたいというものだった。たんぽぽはパンジーの中学時代の先輩後輩の関係で、たんぽぽの意図はパンジーの中学時代の不穏の過去に関係があるようだ。そんな折、図書室の閉鎖話が浮上してくる。

11話あらすじ

利用者数が少ないため、図書室の閉鎖が職員会議で決まった。閉鎖を回避するためには利用者数を10倍にしなければならないらしい。ひまわり達は友人に図書室の利用を働きかけることに。

友達が少ないジョーロは何か出来ないか悩んでいると偶然ホースと再会した。唐菖蒲高校でも図書室閉鎖危機があったらしいが、図書委員のホースの活躍で回避できていた。ジョーロは彼にアドバイスを求める。

後日、ホースがチェリーとつきみを連れ立って図書室を訪れた。ホース達はパンジーと同じ中学出身で、パンジーとの再会を喜んだが、パンジーはなぜか浮かない表情をしていた。

パンジーは中学時代に、そのルックスから注目の的であったが、彼女はそれが嫌だった。助けてくれたのはホース達だったが、そのホースに好意を抱かれてしまう。ホースの純粋な善意が逆に周りの人を傷つけているのを許せなかったパンジーだったが、恩人であるホースを拒絶することもできず、眼鏡を掛け本当の姿を隠すようになったのだった。

純粋な善意は最大の悪意

純粋な善意が最大の悪だというのは色んなところでしばしば言及される。ホースもその純粋な善意を周囲の人に押し付けて、無理をさせている。これは要するにラブコメに対するメタファーであり、アイロニーになっている。

ステレオタイプなラブコメは主人公が下心のない優しさを女の子に発揮して好かれる。女の子は例え主人公から振られたとしても腐ることなく、他の女の子の恋を応援する。『俺好き』はそれを「人間らしくない」とバッサリ切っている。

アニメの『俺好き』は最初から典型的なラブコメを崩すような展開を続けていたが、ホースの登場がその集大成ということになるのだろう。

まあ現実でも下心のない優しさは逆に怖いなどと言われることがある。なまじ優しいだけに冷たくあしらうのも出来ず、男はそれを逆に自分を好いているのだと勘違いして、悪循環に陥る。次の有名なコピペを思い出してしまった。

私、君みたいな男の人知ってる。
仕事で困った時に一生懸命汗かきながら助けてくれたり、
「パソコン買いたいな」って言ったら、
お勧めのパソコンリスト作ってきてくれたりしてくれるんだよね。
だからお礼に冷たいお茶入れたり、
くたびれたスリッパ履いてたからプレゼントしたりした。
でも何故かわからないけど全然違う。私の彼氏と。
(中略)
誤解させたならごめんなさい。告白させたりしてごめんね。
優しくしたのはお年寄りに優しくするのと一緒なの。
気付いてる?君達ってお年寄りと似てる。

パンジーもだからこそ、ただただ優しいだけのホースではなくて、裏があって時に優しいジョーロを好きになったんだと思う。だけど純粋な善意は尊いものではあるし、愛よりも友情を取る女性も普通にいるので、悪魔とまで腐さなくてもいいんじゃとは感じたが。

あと、ついにサザンカの出番がなくなったのは残念。

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