『さらざんまい』第4話「つながりたいけど、そばにいない」感想です。
前回あらすじ
燕太はずっと前から一稀のことが好きだった。2人は幼少期からサッカーのゴールデンコンビだったが、一稀がサッカーを辞めてしまい、燕太はまた再びコンビを組むことを願っていた。そんなとき、鱚専門店のキース・モットクレーが怜央と真武に欲望を搾取され、キスゾンビと化し、街中の鱚を集め出す。燕太達はカッパになり、キスゾンビを撃退。しかし、さらざんまいにより燕太の倫理に悖る行動が漏洩してしまう。一稀は罰ゲームだと誤解してくれたが、燕太はショックを受けていた。しかし春河に励まされ、ゴールデンコンビの再結成を夢を諦めないのだった。
4話あらすじ
悠の家は蕎麦屋だった。悠の両親は多額の借金を背負い、兄の誓が面倒を見ていた。蕎麦屋を手放さなければならなくなったときには、蕎麦屋を買い上げ、アタッシュケースいっぱいの金を持って親戚に蕎麦屋を継ぐように頼んだ。誓は危険な仕事を請け負っていた。
春河は、浅草で開催されるサラの握手会に参加することを楽しみにしていた。しかし春河が連絡を取り合っているサラは本当は一稀であり、それがバレることを恐れた一稀は悠にサラを誘拐するのを手伝って欲しいと頼む。握手会には代わりに一稀が女装して出るようだ。
誘拐計画を練っているところに、蕎麦が空を飛ぶ現象が現れる。風呂の残り湯を盗んだ疑いで逮捕された蕎麦屋店主の蕎麦谷ゆで男が、毎度のように怜央と真武に欲望を搾取され、ソバゾンビとなった。
悠たちは尻子玉を取り除き、ソバゾンビを撃破。さらざんまいによって悠が過去に誓に渡された拳銃で人をあやめていた過去を漏洩されてしまう。燕太はその事実に動揺を隠せないが、一稀は自分の皿を悠に差し出した。一稀の口から出た言葉は「僕は春河が嫌いだ」だった。
悠の秘密
悠の秘密は割と想像通りというか、箱の中に入っていたのは拳銃っていうのは分かっていたので、それに類するものだというのは予想ができた。重さで言えば最も重い犯罪行為ではあるが、正当防衛(過剰防衛)が成立する可能性も残っているので、一稀が計画している誘拐や、過去に犯した猫の窃盗などよりは軽いものだろう。
「僕は春河が嫌いだ」
想定外だったのは、Cパートの「僕は春河が嫌いだ」というところである。これは一稀の本音なのかどうかは分からない。もしかしたら悠に希望の皿を受け取らせるためについた嘘という可能性もある。しかしやはりそんなトリックを弄するアニメには思えないので、文字通りの意味があるのではないか?
そうすると、毎日サラの女装をして春河のために自撮りを撮っているのは、実はなんらかの嫌がらせ的な行為とも考えられるし、春河の怪我は一稀が故意に負わせたもので良心の呵責のためだけに春河に尽くしているのかもしれない。とはいえ後者は、いくら良心の呵責といえども、猫を盗んだりまでするか?という疑問はある。
「嫌い」と「好き」は表裏一体なので、そこでアンビバレンツな感情があるのかもしれない。こいつのことめちゃくちゃ嫌いで憎らしいと思っていても、何か頼まれるとやってしまうという性格の人はいる。
『さらざんまい』ではこのようにCパートに気になるセリフを「さらっと」出して、次回を期待させるという手法が取られている。『ケムリクサ』もそうだったが、次回が気になる引きが強いアニメはやはりテレビアニメにはめちゃくちゃ有効な手だ。
「この世界は悪いやつが生き残る」
誓のセリフ。とても印象に残った。権力があれば悪いことをしても裁かれず、勲章があれば逮捕されず、被害者がアイドルグループを卒業させられるような現代社会にも通じる箴言である。悪いやつでなく良いやつが生き残る世界になってほしい。
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