2019年の秋に公開されたアニメ『厨病激発ボーイ』のオープニング映像にパクりがあったことが、パクられた作者の告発により明らかになった。先日には『星合の空』のエンディングでもダンス振り付けのパクリ騒動があったばかりで、アニメ業界のモラルが再び問われる事態となっている。
『厨病激発ボーイ』オープニング
『厨病激発ボーイ』はれるりりによるボカロ楽曲をベースにした小説およびアニメーションで、アニメは
スタジオディーンにより制作された。
パクリはモーショングラフィックデザイナーのいっしん氏の告発により明らかになった。拡散希望とあるので、比較動画とともにツイートを引用する。
【拡散希望】
明らかに自分の作品がパクられています。
10月に公開されたアニメ「厨病激発ボーイ」のOP。制作会社がこんな事やって良いと思ってるのか?
こっちが個人だからってクリエイター舐めんなよ。問題の映像:https://t.co/4NCA64Y1Og
元映像(自分の作品):https://t.co/05aLETeuIV pic.twitter.com/LRRjAy3l2e
— いっしん (@ismsx) January 14, 2020
こ れ は ひ ど い pic.twitter.com/eJdWqe46Rl
— カず🍕🍕🍕🍕🍕🍕🍕🍕 (@JuneSknows) January 14, 2020
丸や三角や四角の幾何学模様からなる作品だが、その動きがアニメのオープニングと全く一緒であり、パクリであることにほとんど疑いはないように思う。偶然でここまで一致することはまず考えられない。
なお、このツイートに対して監督を名乗る人物が、次回自分が関わるアニメ作品でいっしん氏監修のオープニングを作ることで謝罪に変えてほしいと提案するリプライがつけられているが、新規アカウントのため、これが監督本人であるかは不明である。
監督の市川と申します。いっしんさんのコメントを拝見して、はじめてツイッターを始めました。お返事の仕方など間違えてしまうかもしれませんが何卒、ご了承ください。今回の件、責任はおそらく自分にあります。OPの制作にあたり、MGの参考としていくつかYoutubeのURLをスタッフに渡しました。
— 市川量也 (@PommTLQhb1MJYrk) January 14, 2020
完成したものと参考に送ったURLをしっかりと確認しなかったことで、類似性の極めて高い映像になってしまったことをお詫びします。制作会社や原作サイドにはまったく落ち度はございません。監督としての自分の管理不足となります。
— 市川量也 (@PommTLQhb1MJYrk) January 14, 2020
図々しいご提案かもしれませんが、本来いっしんさんのクリエイティブとして評価されるべき映像が、違った形で世にでてしまったことが一番のお怒りではないかと存じます。ですので次回自分が関わるアニメ作品でいっしんさん監修のOP映像をご制作させていただくことなどは謝罪とはならないでしょうか。
— 市川量也 (@PommTLQhb1MJYrk) January 14, 2020
なお、この問題が発生した原因は、参考資料として渡したものを制作スタッフがそのまま作ってしまったという伝達ミスと確認ミスが重なった結果であるとしている。
アニメ業界のモラル危機
先日、同じく2019秋アニメの『星合の空』のエンディングでもダンス振り付けのトレース疑惑があった。こちらに関しては、監督をはじめとする制作スタッフが正式に謝罪をして、トレースされた振付師の名前をクレジットに追加するという対応で、和解している。

そのときの記事にも書いたのだが、アニメ業界にはバレなきゃいいみたいな空気がやっぱりあるのではないかと思う。今回は(監督本人の言葉かどうか不明ではあるが)確認ミスということだけど、こういうことが続くとその言葉を簡単に信じることもできない。
2019秋アニメは総集編の多さも話題になったが、スケジュールがカツカツなので、人的なミスも多くなっているのかもしれない。抜本的に制作体制やモラル教育などをしないと、アニメ業界の信用は回復できないのではないか。
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